避妊・去勢手術について

避妊・去勢は健康を守ります

避妊・去勢手術は、妊娠を防ぐためだけのものではありません。性別に特有の病気の予防につながり、動物たちの健康を長く守る大切な取り組みです。出産の予定がないまま未手術で過ごすと、年齢を重ねた際に生殖器に関わるホルモン異常や病気を発症するリスクが高くなることが知られています。大切な家族の一員として、これからも元気でいてほしいという気持ちを考えると、早い段階で手術のご検討をおすすめします。

避妊・去勢手術に適した時期

犬・猫の手術に適した時期

避妊・去勢手術は、生後6~7ヶ月頃から受けられます。成長とともに麻酔リスクが高くなるため、若いうちの手術がより安全です。オスの場合は2歳までの手術で前立腺疾患・精巣腫瘍の予防効果が高く、マーキング行動の軽減も期待できます。メスは2回目の発情前に手術を行うことで乳腺腫瘍のリスクが大きく下がり、生涯の健康維持に役立ちます。なお、発情期は出血リスクが高くなるため、体調やタイミングを見極めながら実施します。

うさぎの手術に適した時期

うさぎも、原則生後6ヶ月以降での避妊・去勢手術をおすすめしています。人気のネザーランドドワーフ・ホーランドロップなどのドワーフ種では、生後6ヶ月頃にはほとんどの子が性成熟を迎え、オスでは生後4ヶ月頃から繁殖が可能となります。手術を行うことで、発情によるストレスや問題行動の軽減だけでなく、高齢期の生殖器疾患の予防につながります。特に、雌雄を一緒に飼っているご家庭では、望まない妊娠を防ぐためにも早めの検討が大切です。手術の適期は、発育状況や体調によって前後するため、まず診察で状態を確認します。手術日が決定した後は術前検査を行い、当日は午前中にお預かりして、お昼休み時間に手術し、一泊だけお泊りしていただきます。術後の様子によっては、数日入院となる場合もあります。「手術を受けるべきか迷っている」そんな場合も、お気軽にご相談ください。

避妊手術について

毎日そばにいる大切な動物たちの健康を守る手段のひとつとして、避妊手術という選択があります。手術では卵巣と子宮を摘出することで、妊娠を防ぐだけでなく、生殖器関連の病気の発症リスクを下げられることが大きなメリットです。
発情期にみられる出血やストレスの負担がなくなり、より落ち着いて快適に暮らしやすくなるという面もあります。
一方で、手術を受けると生殖機能は元に戻りません。だからこそ、ご家族として納得したうえで選んでいただくことが何より大切です。気になることや心配な点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。

メリット・デメリット

メリット

  • 望まない妊娠を防ぐことができる
  • 子宮・卵巣に関わる病気の発症リスクを大きく減らせる
  • 乳腺腫瘍を発症する可能性を低く抑えられる
  • 発情期に見られる鳴き声や出血などの負担を軽減できる

デメリット

  • 妊娠・出産ができなくなる
  • 全身麻酔を伴うため、一定の手術リスクがある
  • 代謝の変化により太りやすくなることがある
  • まれに尿漏れがみられるケースがある

予防できる病気

  • 乳腺腫瘍

    乳腺にしこりができ、痛みや出血を伴うこともある厄介な病気です。特に猫では悪性の割合が高く、気づいたときには歩き方がぎこちなくなるなど普段と違う仕草が見られることもあります。うさぎでも乳腺腫瘍は発生し、ホルモンの影響を受けるタイプは避妊手術が予防に役立ちます。悪性の場合は他の臓器へ広がることもあり、早期の避妊がリスク低減につながります。

  • 子宮蓄膿症

    「急に水をよく飲むようになった」「元気がない」「陰部から膿のような分泌物が出ている」などの小さな変化から始まり、お腹が張ってくる、ふらつくといった症状が見られることもあります。急速に悪化し、命にかかわることもある疾患です。犬・猫だけでなく、うさぎでも発症することがあり、避妊手術によって確実に予防できます。

  • 卵巣腫瘍・子宮腫瘍

    初期にはほとんど症状がなく、気づく頃にはすでに進行しているケースが珍しくありません。腫瘍が大きくなると、お腹の膨らみ、排尿・排便のしづらさ、体重減少、元気消失などが見られます。特にうさぎでは子宮腺癌の発生率が非常に高く、早い段階で避妊手術を受けておくことで生涯のリスクを大幅に下げることができます。

去勢手術について

動物たちが健康で安心して暮らしていくために、去勢手術という選択肢があります。精巣を取り除くことで繁殖を防ぐだけでなく、男性ホルモンが影響する病気のリスクを下げられるのも大きなメリットです。
また、攻撃的な行動やマーキングが落ち着きやすくなるため、ケガやトラブルの予防にもつながります。
当院では、去勢手術の良い面だけでなく注意点についてもしっかりお伝えし、飼い主様にご納得いただいたうえで実施しています。大切なご家族にとって最善の選択ができるよう、いつでもご相談ください。

メリット・デメリット

メリット

  • 前立腺肥大や精巣腫瘍といった生殖器系の病気を予防できる
  • 猫のスプレー行動(マーキング)を抑えられる
  • 去勢手術により攻撃的な行動や強い縄張り意識が和らぎやすくなる

デメリット

  • 手術後は繁殖機能がなくなる
  • 全身麻酔を使用するため、わずかではありますが麻酔リスクが伴う
  • ホルモンバランスの変化により、体重が増えやすくなることがある

予防できる病気

  • 前立腺肥大(犬)

    加齢とともに、男性ホルモンの影響で前立腺が大きくなるケースが増えてきます。前立腺が肥大すると、尿が出にくくなったり便秘になったりするなどの変化が見られます。進行すると、細菌感染による発熱や痛みを伴う前立腺炎に発展することもあります。去勢手術はホルモンの分泌を抑えられるため、これらのリスクを下げることが可能です。

  • 肛門周囲腺腫(犬)

    肛門周囲にできるしこりや腫瘍は、破裂して出血や痛みを引き起こすことがあります。頻繁にお尻を気にする、座りたがらないなどの行動変化も見られます。重症化すると排便時の痛みや便秘を招き、広範囲切除が必要となる場合もあります。早めの去勢手術で予防できます。

  • 会陰ヘルニア(犬)

    未去勢の中高齢オス犬に多く見られる疾患で、肛門周囲の筋肉が弱くなることで腸や膀胱などが本来の位置からずれて皮膚の下に飛び出してしまいます。排便・排尿がしにくくなることが特徴です。去勢手術でリスクを事前に軽減できます。

  • 精巣の腫瘍(犬・うさぎ)

    年齢を重ねると、未去勢のオスでは精巣に腫瘍ができやすくなります。精巣や陰嚢の腫れ、左右の大きさの違いなどに注意が必要です。腫瘍によっては他の臓器に転移し、貧血などを引き起こすこともあります。特に精巣が正常な位置にない場合はリスクが高く、早めの去勢をおすすめします。うさぎでも同様に、オスの精巣腫瘍のリスクを減らすために去勢手術が有効です。

手術の流れ

  1. Step01

    検査・ご予約

    手術を検討される際は、まず身体検査で健康状態を確認します。問題がなければ手術日を決定し、安全性を高めるために、術前検査を受けることをおすすめしています。

  2. Step02

    手術当日の朝

    手術前日は、夜9時までに食事を済ませ、当日の朝は水のみで過ごしてください。これは麻酔中の誤嚥を防ぐために必要な準備です。

  3. Step03

    ご来院

    ご来院後は、改めて健康状態を確認してからお預かりいたします。手術は、動物への負担を最小限に抑えるよう、丁寧かつ迅速に進めます。

  4. Step04

    手術後のお迎え

    手術後は原則として一泊お預かりし、翌日にお迎えいただきます。お帰りの際には、術後のケアや注意点を丁寧にご説明し、必要なお薬もお渡しします。お会計は退院時にお願いいたします。